2004/10/04

「哀愁の町に霧が降るのだ/椎名 誠」

041003



昨日の朝日新聞の朝刊に紳士服PAPASの一面広告が出ており、モデルは
椎名誠だった。
もう10年以上読んでなかったが、昔は憧れの人でもあった。

私は前のブログに書いたが、大学に行ってない。
高校を出てから、当時にしては大変珍しいフリーターになった。
結局社会に出るまで4年間ちゃらんぽらんな生活をし、親に相当迷惑をかけた。

フリーターになるのは簡単だが、社会人になるのは簡単ではない。
当たり前だが、大学も行かないで遊び暮らしてるヤツに、まともな会社は
門を開いてないんである。

挫折。社会は厳しい。
これからオレはどうやって生きていけばいいんだろう・・・

悶々としてる頃にこの本に出会い、そして私のバイブルとなる(バイブル多過ぎ)。
江戸川区小岩にあるアパート<克美荘>を舞台にしたシーナマコトの自伝的
青春ドラマの傑作。「俺たちの旅」世代にはたまらない世界である。

本に出てくる「『美濃屋』のかつ丼」も「醤油かつをぶしメタまぜソーメン」も
「スーパーゴールデンデラックススペシャルおじや」も、みんなウマそうである。
仲間と食べるメシはうまい。

シーナマコトはフリーターから零細企業へ就職する。
その後サラリーマン作家(スーパーエッセイ)としてデビューし、当時は一世を
風靡したんじゃないか、と思う(♪ビ~ルをまわせ~のCMとか)。
大学に行ってない私にとっては、長い間椎名誠と田中角栄は特別な存在だった。

講演会にも2回行った。
2回とも違う女と出掛けたんだが、会場はほとんど若い女ばかりであった。
椎名誠はかなりモテるんである。ここらへんも特別な存在の所以である。

住んでいる家が近いコト(当時は小平在住)がわかって、家も見にいった。
バカでかい屋敷ではなく、普通の家を数回建て増ししたような作りが気に入った。
表札も「椎名」ではなく、奥さんの「渡辺」と出ている。これも気に入った。
近づくと犬の「ガク」が吼えまくる。おぉ~この犬がガクか!と気に入る。
ファンというのは何でも気に入ってしまうものである。

街で会ったことも2回ある。
一度は新宿歌舞伎町の本屋でデカいヤツがぶつかってきて「あ すいません」
顔を見たら椎名誠であった。びっくりして声も出ない。
私もガタイが良い方だが、私より大きかったんじゃないかと思う。

それともう一回。
飲んだ帰りに西武新宿から電車に乗って、つり革にだる~んとぶら下がったら、
目の前に座っているのは、なんと椎名誠だった。
一気に酔いは醒めたが、ここまで近過ぎると逆に声なんてかけられない。
私が先に降りるまで緊張の20分強を過ごした。
シーナさんはずっと週刊誌を読んでましたね。


「銀座のカラス」まではずっと読んでたが、それ以降は興味を失い読んでない。
私が社会人として一人前になったことと関係しているのかもしれない。
そんなこと無いかな?

金曜日に文庫を買ってきたので、10数年ぶりに読んでみようと思う。
番長で読書家。やっぱりカッコいいですよ。

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