・スイマセン明日の晩はちゃんと作りますの清く貧しく一品のみ
・モルツ & ただいまストロングレモン 各々500。
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今晩の寝言は大昔の話。
中1の冬休み前に父親が胆石か何かで二週間ぐらい入院をして
何日かしてから母親が泣きながら電話をしているところを見てしまい
そんな姿を見るのは生まれて初めてのことだったから、子供心にもものすごい衝撃だった。
何か嫌なことが起きるのかな・・・との思いは極力忘れるようにして、たしか二、三日過ごしたのかな
突然、母親が妹を連れて明日から家を出ていく、と話しをしてきた。
「どうすればいいの」
「(父方の)おばあちゃんがあさってくるから、それまで家を守ってて」
「ど、どういうこと」
「落ち着いたらちゃんと話しをするから今は我慢して」
そんな話しを泣き合いながら、1時間ぐらいしたんじゃなかったろうか。
次の日の朝、まだ暗いうちに母親と妹はタクシーで家を出ていって、
狭い街だと噂はすぐに広まるのか近所の人が覗きに来たりしてたから
なんか嫌だよ 二日間はずっと家にこもっていた。
次の日におばあちゃんが来て、二、三日して父親も退院して戻ってきて、
その晩、隣の部屋で父親とおばあちゃんが泣き合っているのが聞こえてきた。
それまで当たり前だった日常が、自分は何も悪いことをしてないのにどんどん崩れていって
布団をかぶって耳をふさぎながら、隣の部屋に聞こえないようにずっと泣いていた。
そうだな この時が自分の人生で最初の危機だったんではないかな。
そのあと両親は一旦よりを戻したものの、一度壊れてしまったものは長く続かず、
オレが中3になったゴールデンウィークの頃に正式に離婚をした。
それまで一年間、夫婦無理やり一緒に住んでいるような息苦しい毎日だったから、
子供の自分ではどうにも出来ないこと 離婚もどうしようもないと思ったけど、
今と違って当時はよくあることではなかったもの 嫌で嫌で、悲しくて悲しくてしょうがなかったよ。
苗字が変わるのは大きなショックを受けたし(そんなのみっともなくて学校に行けねえよっ!)、
狭くてぼろっちい団地に引っ越すのも嫌でたまらなかったし、
友達みんなはadidasやpumaのスポーツバッグなのに、オレだけボロい変なカバン(笑)
その頃は自分のことしか考えてなかったからね なんでこんな悲しい目ばかりに合わせるんだよと両親を恨んだ。
何度も泣きながら喧嘩をしたよ。
当たり前だが、もちろん今はそんなふうには思っちゃいない。
決して裕福な暮らしでは無かったけど、兄妹ともキチンと高校に行かせてもらって
グレることもなく、大人になっても大きな病気をすることない健康な身体に育ててもらい
まあ 心が弱いのは自分の努力が足りないだけだ(笑)、
人様に迷惑をかけることこそ無かったものの、いつまで経ってもこんな暮らしで
親孝行が出来なかった申し訳ない気持ちで今でもいっぱいだよ。
それと形に出来ないほどの大きな感謝の気持ちもいっぱい。
その頃から既に映画を観るのが大好きでね。
ちょうど面白さにハマりだした頃だよ 大人の世界に少し背伸びをしてる感じだ
小遣いも少ないから片道1時間半自転車に乗って300円の名画座とかよく行ってた。
ウチに帰ると母親は映画を観ないことを知っているのに
「今日観た映画すげー面白かったよ!」とか話しをしていたように思う。
ただ、その年のアカデミー作品賞を取った映画のことは話せなかった。
触れてはいけない話題。あまりにも我が家にはタイムリー過ぎた。
映画は評判通りにすごく良かったんだ。
最後のシーンは大泣きしてしまったよ。
それから1、2週間した頃だったか
母親が今日は仕事帰りに映画を観てくるから遅くなるよ、と言ってきた。
えええ?普段映画なんか観ないのに、やっぱ気になるのかな。
やめて欲しいなあ~なんとなく恥ずかしいじゃないか。
帰ってきてそれとなく感想を聞いたら「とっても良かったよ」と言った。
それ以外は話さなかった。
オレもそれ以上は聞かなかった。
そのとき47歳の母親は、何を考えていたんだろう。
明日は毎度の午前十時の映画祭で
30年ぶりに「クレイマー、クレイマー」を観に行ってきます。
アイスクリームのシーンもいいし、
ジャングルジムのシーンもいいし、
最後のフレンチトーストのシーン・・・明日もきっと泣いてしまうんだろうな。
2010/10/16
October 16, 2010 Dinner
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